『テレワークできない』は当然のこと
総務省の行った調査で、中小企業でテレワークができない理由としては『テレワークできる仕事がない』というのが最も多い結果となりました。
実際に、テレワークをするには、業務の効率化やデジタル化が必要とされます。
多くの企業では、従来の出社して仕事をするスタイルが主流であり、そのままテレワークに移行することは困難です。しかし、この調査結果からも分かるように、多くの人々が今の仕事のままでテレワークを実現したいという希望を持っています。
そこで、テレワークを実現するためには、業務の見直しや効率化が必要です。例えば、ハンコが必要な業務や紙での申請が必要な業務などは、PDFやメールに置き換えるなどの方法でデジタル化することが可能です。これらの業務の見直しを行うことで、テレワークを実現する際の障害を減らすことができます。
効率化するためのおすすめツール
効率化するためには、適切なツールの導入も重要です。例えば、Google Workspaceはオンライン会議ツールや Microsocft Office と互換性のあるツールなどが統合されており、業務の効率化に役立つツールです。これらのツールを活用することで、テレワークの実現がよりスムーズになるでしょう。
在宅で仕事する以外のメリット
テレワークと言うと、イコール在宅勤務というイメージがあります。しかし、在宅勤務はテレワークの持つ多くのメリットの一つでしかありません。
この内、『業務の効率化』についてはすでに書いたとおりで、テレワークをするためにはある程度デジタル化を進めて、業務を効率化していなければ実践が難しいです。それが翻って、テレワークをすることで社内のデジタル化、業務の効率化を推し進めることに繋がります。
業務の効率化が進めば、働く場所を選ばなくなります。
それによって在宅での勤務がしやすくなるのですが、その結果『遠隔地での採用』、『離職の防止』という2つが特に大きなメリットとなります。
遠隔地での採用
コロナ以降、転職先に求める条件として『テレワークができるか』という回答が年収の次に多い、という調査結果もあります。
2020年以降、企業の規模問わず、多くの企業で一気にテレワークが浸透し、それが比較的長期間に及びました。その結果うまくいった、いかないはあるにせよ、SNS や各種メディアを通じて、テレワークのメリットやこれまで当然だった業務のあり方を疑問視する意見が広く拡散されました。
通勤時間がなくなった、家族との時間が増えた、田舎暮らししながら勤務できるといった、働き方やライフスタイルが良い方向に変化したという声や、ハンコを廃止した(行政でも!)、オフィスを引き払ったといったようなこれまでの常識が覆った事例も多くありました。
こうしたメリットが多くの目に留まることで、転職先でもテレワークができることが重要という意見が多いのもうなずけるかと思います。
これまでは会社の所在地で採用をするのが当たり前でしたが、地方の多くでは少子高齢化が進み、採用難が大きな課題となっていました。
テレワークできることによって働く場所を選ばなくなれば、社員がどこに住んでいても業務ができるので採用難の解消に繋がります。日本全国、あるいは日本語が通じれば海外在住でも(時差の問題が出てきますが)採用できる可能性が生まれます。
面接をするにしても、オンライン会議ツールでできるのでわざわざ来社して貰う必要がないので、時間も交通費も節約することができます。
離職の防止
働く場所を選ばなくなることで得られるもう一つの大きなメリットとして、離職の防止があります。
これまでは介護や育児、配偶者の転勤など様々なライフイベントによって退職を余儀なくされるケースが多くありました。しかしこういった離職は企業にとっても大きな痛手であり、貴重な人材の流出につながってしまっていました。
しかし、働く場所や時間を選ばない環境が整えられれば、転勤先でも仕事を続けることができる可能性が生まれます。フルタイムで出勤して仕事をすることは難しいかもしれませんが、『在宅で時短勤務する』といった柔軟な働き方を実現することができます。これにより、社員のライフスタイルを最大限尊重しながら、離職を減らすことができるでしょう。
遠隔地での採用を進めることで、地方の少子高齢化や採用難の問題にも対応できます。また、オンライン会議ツールを活用した面接により、面接時の交通費や時間を節約することもできます。
離職の防止と遠隔地での採用の両方を実現することで、企業は人手不足の解消や貴重な人材の流出を防ぐことができます。これにより、組織は安定した人材の確保と成長を促進することができるでしょう。テレワークの普及により、働き方の多様化と柔軟性が求められる今日の時代において、離職防止策としてのテレワークの重要性はますます高まっています。
まとめ
テレワークを実現するためには業務の見直しや効率化、適切なツールの導入が必要ですが、その努力は会社の成長に繋がる重要な要素となります。テレワークができないという問題を解決するため、積極的な取り組みを行い、働き方の改革を進めていきましょう。